夜行バスに乗って
ハムエッグとたこ焼きの二択で悩んでいた。
そういう夢を見た。選んでいる途中で目が覚めた。
3時47分だった。
一通りSNSを確認して、インターネットの人達の生活を少し覗いたあと、「周りの多くが眠っている中で起きている自分」を思って少し面白くなった。
夜行バスに乗っている。
1日東京での用事を済ませ、明日には大阪に戻る。遊ぶ暇を作る器用さはなく、いつものごとく慌ただしい往復になった。
遮光のカーテンに顔だけをくぐらせて、窓から外を見てみる。夜の高速道路を走るバスから見る景色に特に新鮮さはなかったが、外のひんやりした空気の少しを感じることができた。
外はきっと寒い。窓ガラスとカーテンがその寒さを引き受けてくれているおかげで、それとエアコンのおかげで車内の私達は快適眠りにつくことができるのか。
そこまで考えたところでまた眠くなってきた。窓とカーテンとエアコン。他にも私の気づけない色々に対してまどろみながら感謝の念を送る。次に起きたときは大阪かもしれない。
どれだけ忙しくても移動や変化を楽しめるよう。明日の朝はハムエッグが食べたいと思う。