年輪が増えていくように
一人暮らしをはじめて5年ほど経つ。
相変わらず正しいリズムを刻むのは難しく、丁寧に生活を奏でることはもっと難しい。
最近、一人で過ごす夜を寂しいと思うようになった。今まで感じたこともなかったのに。
たまらなくなって友達とラインをする。通話をする。
昔は用件のないやりとりが面倒でしょうがなかったのに。
対面以外でも、他愛のない会話を愛しく思う、それが必要だと思うようになった。
人格が変わったというよりは色々な属性が付加されているような感覚だ。
昔の自分もちゃんと昔のままで、年輪が増えていくように新しい属性が自分を覆っていく。
大きく、重くなったと思う。動かすにはパワーがいる。気合いがいる。
面倒でも億劫でも、気合いを出して自分を動かしていきたい。
そうしてその先で待っている何かに触れてみたいのだ。
ワクワクするものはそういう気合いとは別のところで自分を動かしてくれる。
好きなものや好きな人の存在は大きくて重い自分をフワッと軽くさせて、行きたい場所に連れて行ってくれる。自分は周りのそういう存在に恵まれているのだと思う。
自分が作るものや自分自身も誰かにとってそう思われる理由の1つであったらいいな。